【経緯】

　依頼者様は、結婚１０年目の夫婦で、お子様二人にも恵まれました。

　ところがある日、夫のカード履歴等から、出張先と言っていた場所とは全く違う場所のホテルの２名分の利用が複数判明。

　また、女性へ向けたプレゼントも購入していたことがわかりました。そこで、証拠を示して不貞を問い詰めたら、夫は開き直り、逆に、お前が悪いから不倫した！と批判し、離婚を求めだす始末でした。そのうち、不貞相手の女からと思われる怪文書が勤め先に届く等したことから、依頼者様としては憔悴した状態になりました。

さらに、両親の不穏な空気を感じ、まだ幼い子供たちの精神も不安定な状態になっていきました。

　そこで、不貞相手からの嫌がらせをどうすればよいのか、開き直って離婚を求めてくる夫に対してどうすればよいのか、仮に離婚をするのであれば、財産分与や養育費についてよくわからなかったことから、意を決して相談に来られました。

【当事務所の対策と対応】

初めて相談に来られた段階では、依頼様はまだやり直せるか、それとも離婚まで進めたほうがよいのか、選択を迷っていました。

　そこで、いずれを選択するにしても不貞の証拠だけは確保しておいたほうがよいことを説明し、夫自体が不貞を認めているのであれば、その証拠確保のため、録音を指示しました。

　また、今後、不貞相手に何らかのアクションを起こすためには、とにかくその女の氏名住所を知る必要があること、もし離婚を決意された場合の財産分与、養育費の説明を行い、いったん相談は終了しました。

　しばらくして、離婚を決意された依頼者様は、不貞を認める夫の発言の録音と、不貞相手の電話番号を見つけることができたことから、再度相談に来られ、依頼されました。

　そこで、当事務所からの電話番号調査で、不貞相手の住所氏名を確保できたことから、不貞相手に対しては慰謝料の通知、夫に対しては離婚調停を起こしました。

　すると、それまで断続的に続いていた嫌がらせは、慰謝料の通知が届いたタイミングですべてストップしました。また、離婚調停の中で、夫は、正当な財産分与と算定表にしたがった養育費を支払うことを認めたうえで、不貞相手への慰謝料請求を取り下げることを条件に２５０万円の慰謝料の支払い合意ができました。

　ただ、依頼者様としては、法的には勝利したかもしれませんが、夫の身勝手から、自身にもお子様方にも、傷跡を残した戦いではありました。

すずか市民綜合法律事務所